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防水工事を検討される方へ~第1回 防水工事とは?~

こんにちは!営業の加藤です。

今回、【防水工事を検討される方】向けの連載記事を5回にわたり、更新していきたいと思います!

初回は本日3月2日、毎週水曜日に更新し、3月30日で全5回の掲載と考えています。

少しでも有益な情報をお伝えするべく頑張っていきますので、ぜひお時間のある時にご一読下さい。

※この記事の内容は、個人オーナー様向けとなっています。

戸建やマンションなどをご所有されていて、今後どのように改修計画を立案していくか、参考にして頂けるような内容にしたいと思っています。

初回の記事として取り上げるテーマとしましては、《防水工事とは?》という内容です。

そもそも、《防水》とは何なのか。

よく耳にすることはあっても、それ自体が何なのかはいまいちピンと来ない方も多いのではないかと思います。

この仕事に従事する以前の私も『はて、防水とは?』と疑問符が生じることもしばしば・・・(笑)

それでは、防水について、お伝えしていきましょう。

防水の起源は?

防水の始まりは、日本では縄文時代まで遡ると言われています。

矢尻や土器の補修の接着剤としてアスファルトを使用したことが分かっています。

他にも、旧約聖書内にも《ノアの箱舟》を作るときの防水材として、

《バベルの塔》のレンガを積み上げる際の接着剤として、アスファルトを用いたと言われています。

科学が発達する以前の世界では、自然のものを使って、何かをくっつけたり、水から守っていたことが分かりますね。

※参考:『文化遺産の世界』HP、一般社団法人『日本アスファルト協会』HPより

日本の防水の歴史

日本の防水は縄文時代に遡ると書きましたが、

木造建築物の多い日本では、どのような防水が身近だったのでしょうか?

それは、平安時代に利用が始まった《柿渋》です。

柿渋は、まだ青い未成熟な柿の実を収穫し、すり潰して圧縮し、絞り出た液体を1年以上かけ発酵させたものです。

この柿渋液は、防腐・防虫性が高く、紙や木、布等の保護に使われており、

建物についても、この柿渋液を木部に塗ることで防水効果があると言われています。

木を腐らせず、防水性を保つことを求められていた時代に合った防水方法といえるでしょう。

江戸時代に柿渋は最盛期を迎えましたが、それ以降工業化の革新によって、新たな技術・製品に置き換わっていきました。

明治時代以降はコンクリート造の建物も数多く建てられていき、より建物の防水性が求められるようになっていきます。

当時はアスファルト防水だけが防水材として使われていましたが、

昭和に進み、高度経済成長期にかけて建築技術の進歩や石油化学製品の普及に伴い、

シート防水や塗膜防水等、様々な防水技術が生まれ発展し、今日に至ります。

日本は昔から水や木々、大地に恵まれた国土を持ちながらも、それによって様々な気象変化や災害にも悩まされています。

時代と共に建物のつくりや在り方にも変化が生まれ、《防水》への考えも変わってきました。

起源を辿ると遥か昔ではありますが、防水は意外と身近にあると感じていただけるのではないでしょうか?

《防水工事》とは?

防水を身近に感じて頂くため、長々と起源・歴史について触れてきましたが、いよいよ《防水工事》についてです。

前述したように、時代が進み、世界の建築技術も日本に入ってくることで、より耐久性があり、強固な建物がつくられてきました。

それに呼応するように、防水技術も進化し、多種多様な工法・材料が登場しています。

工法や材料のお話は次回以降に触れ、身近な建物の防水について簡単にご説明いたします。

私たちの身近な建物として代表的なのが、《木造》《鉄骨造》《鉄筋コンクリート造》の建物かと思います。

それぞれの建物で防水を施すにあたり、向き・不向きがあったりします。

理由は、そもそもその構造には適していないものがあったり、使おうとするとコストが上がってしまい現実的じゃないもの、

次回の改修工事を考えるにあたって環境的な配慮が取れないもの等々、様々です。

では、私たちの身近な建物を例に、代表的に施されている防水の一例をご紹介します。

①木造住宅の場合

木造住宅で防水工事が行われる代表的な場所は、ベランダです。

木材でベランダの下地を作り、そこに対して防水を施していきますが、もっとも多く使われるのが、【FRP防水】と呼ばれる防水工法です。

ご自宅が木造でかつFRP防水の方はぜひベランダを見て頂きたいのですが、触ってみると硬いと思います。

木造住宅は、地震などの挙動に対して揺れが大きくなるので、硬く・一体として防水層が作れるFRP防水はとても良い組合せです。

屋上などに比べ、小面積なベランダなどに対しては、施工面・費用面でもコストバランスが優れていると考えられています。

軽量で強靭な防水層であり、歩行可能なことも特徴で、木造バルコニーに多く採用されています。

FRP防水とは・・・液状の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加えて混合し、この混合物をガラス繊維などの補強材を組み合わせて一体にした塗膜防水工法。

FRP防水施工のベランダ

このほかにも、シート防水(塩ビシート・ゴムシート)やウレタン塗膜防水が施工されることもあります。

※いずれの防水工法を選択するにしても、建物の動きや雨仕舞などは十分考慮する必要があります。

②鉄骨造の場合

鉄骨造の建物で防水工事が行われる代表的な場所は、陸屋根やベランダです。

鉄骨造とは鉄や鋼でできた棒状の部材を柱と梁に使用した建物を指し、S(Steel)造とも呼ばれています。

耐久力が高いことに加えて、鉄筋コンクリートに比べて軽いのが特徴です。

そうした優位性から鉄骨造は、戸建住宅から倉庫や工場、高層マンションなど幅広く取り入れられています。

そんな鉄骨造ですが、地震などの揺れに対して[粘り]が出る特徴があり、揺れに追従して揺れることで地震などに耐える性質があります。

その反面、防水については、直接的に塗るものはあまりお勧めできない構造です。揺れによって防水層が破断する可能性がある為です。

広く採用されている防水工法としては、【シート防水】と呼ばれる防水工法です。

シート防水とは・・・《加硫ゴムシート》や《塩化ビニルシート》を使った防水が広く知られている。

専用接着剤を使って下地に貼り付けたり、シートを等間隔で固定する円盤を使って下地に押さえつける方法などがある。

シートの隙間から雨水が入り込まない様しっかりと施工することが重要なポイントだが、

他防水と比較して、既製品の張り合わせの為、工事日数が抑えられ、品質にムラが出にくいことも利点。

※FRP防水と違い、シートの厚みによって歩行か非歩行か変わります。

陸屋根がゴムシート防水で仕上がっている建物(改修工事前)

その他、通気シートとウレタン塗膜防水の複合防水工法が使われることもあります。

③鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート造の建物で防水工事が行われる代表的な場所は、陸屋根やベランダです。

陸屋根やベランダの防水層の上には、保護コンクリートが施工されていることが多いです。

防水層の上から保護コンクリートを施工することで、防水層が露出していない分、劣化しづらいとされています。

しかし、だからと言って何もしなくていいというわけではなく、

経年によって保護コンクリート表面の劣化や、コンクリートの床目地(エラスタイトと言われます。)が反りあがることや、

あるいは保護コンクリート下層の防水層そのものが切れることもあります。

そうなってしまうと漏水が発生してしまう可能性が上がるので、やはり計画的にメンテナンスを行う必要があります。

保護コンクリート仕上げの陸屋根(改修工事前)

保護コンクリート仕上げ以外にも、露出アスファルト防水仕上げやシート防水仕上げ等となっている場合もありますので、

現状の防水に対して適切な改修方法を検討することが大切です。

まとめ:《防水》の歴史は縄文時代まで遡り、私たちに馴染みが深い。   そして建物に応じて、《防水工事》は色々な工法・材料がある。

まずは第一回目として、《防水工事とは?》というテーマでまとめさせていただきました!

《防水》をどうにか皆さんの身近に感じて頂きたくて、

【起源・歴史から現在の建物に使われている防水施工の主な例】を書いてみましたが・・・

『まだまだ分からないよ!』という厳しいご意見もぜひ下さい?

物凄く深い工事なんです・・・。

これを書いている私もこの防水業界歴は6年とまだまだですが、この記事を書きながら、改めて学びになっている部分があります。

拙い文章ではありますが、何か皆様のお役立ち情報となれば嬉しいです。

※この記事を読んで頂いた業界先輩の皆さまからの叱咤激励コメントもぜひお待ちしています?

次回、第二回目は《なぜ防水工事が必要なのか?現状を知ろう!》というテーマで書きたいと思います。

今回掲載した建物の構造によって、選択する防水工法が変わったり、その先の維持管理の計画によって改修仕様を考えたりすることがあります。

その点も抑えつつ、そもそもなぜ防水工事が必要なのかという事にも触れ、

今の防水層がどんな状態か、簡易的な判断方法等お伝え出来ればと考えています(^^)

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それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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